令和6年 代表理事組合長 年頭あいさつ

大北農業協同組合 
代表理事組合長 武井宏文

 新年明けましておめでとうございます。

 みなさまには、輝かしい新春をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。

 日頃から、当JAの事業運営につきましては、格別なるご協力とご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 昨年は政府の経済との両立の政策により、新型コロナウイルスも2類相当から5類となり、移動制限もなくなった事から当地区への観光客は回復傾向にあり、昨年夏も国内外からの多くの観光客も見られた他、北部のスキー場も昨年11月下旬の降雪により、近年になく早期のオープンをするなど活気も戻ってまいりました。


 このように地域経済の回復が見られ、復調の兆しが見え始めてきたところでありますが、まだまだコロナ感染症につきましては、完全終息には至っておりません。またインフルエンザも流行期に入っております。皆様方に於かれましては、感染防止には引き続き努めて頂くようお願いいたします。

 このような状況下でJAの事業も地域経済の回復とともに、各事業の実績も前年度を上回る状況となってまいりました。しかしながら国際情勢は一段と不安定化しており、急激な円安は緩和されつつありますが依然として物価上昇が続いており、農業資材・燃油関係・飼料の高騰が農業経営に大きな影響を及ぼしております。その中でJAグループとして引き続き国・県・行政への支援策を要請してまいります。また、当JA及びJAグループとしましても、肥料・農薬・資材の高騰により農業経営継続の危機的な状況を踏まえ、農業経営維持継続の一助となるべく、ご利用者に対し、農業資材高騰対策の継続を検討してまいります。詳細につきましては、決定次第ご案内してまいります。

 また、当JAの特色である観光事業における体験・交流型の学校教育旅行は、前年度に予定されていたものがすべて実施され、今年度以降に向けての準備が進んでおります。

 そうした中、昨年は天候不順が続き、大北管内では昨年4月24~25日はリンゴ・アスパラを中心に凍霜害が発生しました。また、5月15日には大町南部と松川の一部地域で降雹がありました。さらには例年にない猛暑が7月初旬から9月以降も続き、局所的な集中豪雨・雹害も度々発生しました。8月には松川村、白馬村の一部でリンゴ園、水田への土砂流入、大町の一部では雹による被害も発生しております。被害を受けられた皆様には、改めてお見舞い申し上げます。

 主要作物の水稲に於きましては、4月の高温、5月に若干の霜がありましたがその後、早い梅雨明けとともに高温が続き生育は順調に進みました。作況は中信地区で101の平年並みとなりましたが、高温の影響により細身の米が目立つ中、一等米比率は95%を超え、年末時点での集荷数量は16万9千俵となりました。

 令和5年産米の概算金につきましては、燃料や生産資材等の高騰により収益確保が困難な状況を見据え、また、需要も回復傾向となり相対価格も上昇気運にあることから、コシヒカリ1等、あきたこまち1等は前年同期より1,020円の値上げとなりました。今後も、JA大北では、直売米等の有利販売の強化に力を注いでまいります。

 米の販売状況は、国では令和5年産の主食用米生産量を661万トンと予想し、令和6年6月末民間在庫は約177万トンと推定しました。また外食・中食産業の需要も移動制限の解除により需要が回復傾向にあり、国では需給は大幅に改善するという見通しを立てております。

 このような米の情勢のなかで、令和6年産の作付け目安値につきましては、令和5年産の生産予定数量同等の669万トンと仮定した場合、令和7年6月の民間在庫は176万トンとなる見通しから令和6年産の目安値は令和5年産と同等の作付け目安値と国は決定しました。長野県の配分につきましては、前年比2トン減の176,703トンと示されました。今後各地区の農業再生協議会での検討を踏まえ確定してまいります。詳細が確定次第周知をしてまいりますのでお願い致します。

 また、一昨年からの肥料高騰対策による国、県による支援金につきましては、大北農協の取り扱い分として、5,520万円を昨年12月8日に申請のありました組合員の皆様の口座に入金させていただきました。。各行政においても、ご理解とご協力をいただきました。

 一方、園芸振興に関しましては「JA大北農業構造改革を進める会」を基本として振興品目を設定し、農業開発基金の活用による地域に適した園芸推進を実施した結果、白ネギ、加工トマト、果菜類を中心に約1.1ヘクタールの面積拡大となり、全体の取扱量も増加いたしました。今後は振興品目である「生食用ブドウ」、適作地である「リンゴ」を中心としたモデル圃場・試験圃場を活用し、学習会を開催しながら生産者の育成と高収益作物による産地化に向けて取り組んでまいります。

 また新規園芸作物の苗代・資材代等の助成も引き続き実施するなど、長期構想「2022~2024」3カ年計画に基づき、効率性と時代背景を踏まえた施策に取り組んでまいります。

 JA自己改革では、一昨年6月に金融店舗再編を実施し、池田・ときわ・神城・平支所につきましては、貯金業務を主体とした事業所として再編いたしました。昨年は再編した支所・事業所を含めて安定稼働に努めてまいりました。

 営農関係では、引き続き予約による肥料等の価格引き下げ、新規園芸作物の苗代・資材代の助成を実施させていただきました。

 また一昨年にJA版早期警戒制度の見直しがあり、監督官庁が各JAの中長期的な収支シミュレーションを行い「2022~2024」3カ年計画の取り組み状況を検証する制度が始まっており、今後もより一層の経営改善が求められることとなりました。

 JA大北では今後も持続可能な事業体制の確立に向け、長期構想「2022~2024」3カ年計画のもと役職員が一体となって取り組み、農業・観光・JAを取り巻く厳しい環境下、この逆境を力に変え、JA自己改革をさらに前進させてまいります。

 農業・農村・JAを取り巻く環境は依然厳しい状況下にありますが、JA大北の経営理念である「地域に愛され信頼され役に立つJA創り」に取り組んでまいります。

 結びに、迎えた本年が皆様にとって明るく輝かしい年でありますことをご祈念申し上げ、年頭のごあいさつとさせて頂きます。

 本年も宜しくお願い申し上げます。

令和6年1月4日
大北農業協同組合
代表理事組合長 武井宏文