令和7年 代表理事組合長 年頭あいさつ

大北農業協同組合 
代表理事組合長 武井宏文

 新年明けましておめでとうございます。

 皆様には、輝かしい新春をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。

 日頃から、当JAの事業運営につきましては、格別なるご協力とご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 昨年は、1月1日に石川県能登半島で最大震度7を観測する大地震が発生し、北陸地方に甚大な被害が発生しました。当JA管内におきましても、数十件の建物被害が発生し、JA共済による被害調査と保障の対応をさせて頂きました。被害にあわれた皆様には改めてお見舞い申し上げます。

 新型コロナ禍も落ち着き、移動制限もなくなったことから、当地区への観光客は回復傾向にあります。昨年も国内外から多くの観光客が訪れ、北部地域のスキー場も11月下旬の降雪により一部ゲレンデが早期にオープンし、来訪者の増加等、今後の活気が期待されています。

 しかしながら、国際情勢は一段と不安定化しており、急激な円安は緩和されつつありますが、依然として物価上昇が続いています。農業資材・燃油関係・飼料の高騰が農業経営に大きな影響を及ぼしています。その中で、JAグループとして引き続き国・県・行政への支援策を要請してまいります。

 また、当JA及びJAグループとしても、肥料・農薬・資材の高騰により農業経営継続の危機的な状況を踏まえ、農業経営維持継続の一助となるべく、ご利用者に対し、農業資材高騰対策の継続を検討してまいります。

 こうしたなか、主要作物の水稲に於きましては、大きな災害もなく8月以降、高温が続き生育は順調に進みました。作況は中信地区で101の平年並みとなりましたが、高温により細身傾向となり、また収穫期の天候不良により刈取り遅れによる胴割米、さらには全域でカメムシによる斑点米の被害が見受けられましたが、一等米比率は98%を超え、順調に集荷ができました。

 令和6年産米の概算金につきましては、燃料や生産資材等の生産費の高騰により、収益確保が困難な状況を見据え、生産費に見合った販売価格の設定により、コシヒカリ1等、あきたこまち1等は前年同期より3,840円の大幅値上げとさせて頂きました。今後も、生産費に見合った販売価格への対応と、直売米等の有利販売の強化に取り組んでまいります。

 米の販売状況は、国では令和6年産の主食用米生産量を679万トンと予想し、予想を加味すると令和7年6月末民間在庫は約158万トンと推定しました。また報道等にもありましたが、8月に気象庁が南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表したほか、度重なる台風の本州直撃等により、消費者の食糧備蓄傾向が高まり全国的に5年産米の需給不足が生じ、昨年夏頃からにコメ不足が発生しました。当JAでも5年産米の出庫率は8月末には前年対比125%となり、販売も例年になく早くなりました。

 このような米の情勢のなかで、全国の令和7年産の作付け目安値につきましては、683万トンと設定されました。長野県の配分につきましては、高品質な県内産米は引き合いが強く、需要が高まってきたことから前年比2,604トン増の179,307トン、北アルプス地方部管内は前年比555トン増の18,812トンと示されました。今後は各地区の農業再生協議会での検討を踏まえ確定してまいります。詳細が確定次第周知をしてまいりますのでお願い致します。米の価格安定維持には作付目安値を守ることが重要です。生産者の皆様には更なるご理解とご協力を頂きますようお願い致します。

 園芸振興に関しては、振興品目を設定し、農業開発基金の活用による地域に適した園芸推進を実施し、白ネギ、加工トマト、果菜類を中心に取り組み取扱量も増加いたしました。今後は振興品目である「生食用ブドウ」、適作地である「リンゴ」を中心としたモデル圃場・試験圃場を活用し、学習会を開催しながら生産者の育成と高収益作物による産地化に向けて取り組んでまいります。

 また、当JAの特色である観光事業における体験・交流型学校教育旅行は、昨年度に予定されていたものがすべて実施され、来年度以降に向けての準備が進んでおります。

 さらに、新規園芸作物の苗代・資材代等の助成も引き続き実施するなど、長期構想「2022~2024」 3カ年計画に基づき、効率性と時代背景を踏まえた施策に取り組んでまいります。

 JA自己改革では、長期構想に基づく金融店舗再編により貯金業務を主体とした事業所の安定稼働に努めてまいりました。また全支所・事業所に効率的な金融店舗機能の構築を目指すため、機器の更新と営業店システムの導入を図ってまいりました。

 営農関係では、引き続き予約による肥料等の価格引き下げ、新規園芸作物の苗代・資材代の助成を実施させていただきました。さらには、みどりの食料システム戦力を踏まえ、もみ殻燻炭施設活用による資源循環への取り組みや土づくりの推進を図ってまいりました。

 一方、令和4年にJA版早期警戒制度の見直しがあり、監督官庁が各JAの中長期的な収支シミュレーションを行い、「2022~2024」 3カ年計画より取り組み状況を検証する制度が始まっており、今後もより一層の経営改善が求められることとなりました。

 JA大北では農業・観光・JAを取り巻く厳しい環境下、今後も持続可能な事業体制の確立に向け、長期構想「2022-2024」3カ年計画の検証と、本年度は次期長期構想3カ年計画の樹立を掲げ、JA自己改革をさらに前進させ、「地域に愛され信頼され役に立つJA」創りに役職員が一丸となって取り組んでまいります。

 結びに、迎えた本年が皆様にとって明るく輝かしい年でありますことをご祈念申し上げ、年頭のごあいさつとさせて頂きます。

 本年も宜しくお願い申し上げます。

令和7年1月2日
大北農業協同組合
代表理事組合長 武井宏文